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ノンフィクションが好きな人であれば、立花隆さんの「宇宙からの帰還」を読んだ経験のない人はいないでしょう。
稲泉さんも、この本にインスパイアされて本作を書いたそうです。
宇宙へ行った日本人は12人。本書に出て来る人がすべてです。
そう、たったの12人なんです。
しかし人によっては、長期にわたって何回も宇宙に行っている人もいます。
アポロ計画の時代と違って宇宙飛行は大きく報道されないし、私たちも以前ほどには注目していないということでしょう。
「宇宙からの帰還」ではアメリカ人宇宙飛行士が、人生観を丸ごと変えてしまうような強烈な「宇宙体験」を語っていました。
時代は移ろい、低軌道から地球を見るようになって、日本人宇宙飛行士の感じたことも様々だったようです。
それでも多くの飛行士が地球の美しさや、生命体としての地球を語っていました。
そんな中で、ある飛行士(名前は本を読んで下さい)は、宇宙への旅を「出張先の一つ」と言います。
ま、本人がそう思ったのだから外野がそれに対してあれこれ言っても意味ないでしょう。
こうした本の中にこういったセリフが出てきてしまうと、読者が白けかねないのですが、そこは、稲泉さん表現力で「なるほど、時代は変わる」と思わせるところはさすがです。
宇宙に夢を馳せて、その夢を追い続け、そして宇宙にまで行ってしまう宇宙飛行士たちの生き方。ロマンがあるじゃないですか。
ぼくが小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「弁護士」です。
カネの匂いがプンプンしますよね。いや、ペリー・メイスンに憧れていたのですが。
ま、それに比べてなんとカッコ良い生き方でしょう。
この本には多分終わりはないのでしょうね。
オススメの1冊です。
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