本を出したい(佐藤友美)
2024-03-23


禺画像]
これは大変クオリティーの高い本でした。
もっとも優れている点は、おもしろいということです。
本はどんなジャンルであれ、おもしろいことが最も重要です。この本は実用書に分類されるのだと思いますが、引き込まれるように一気読みでした。

筆者の佐藤友美さんは、著者(自分で本を書く)であり、ブックライター(著者に代わって本を書く)であり、編集もします。
これまで書いた本はすべて重版になったそうです。これはすごい!
一般に重版率は20%くらいと言われています。ぼくの本もそんな感じ。だから100%というのは驚異的です。

プロなのだから当たり前・・・かもしれませんが、佐藤さんが本を出すまでにどういう努力をしているのか詳細に書かれていました。
ぼくが感銘を受けたのは、ターゲットとしての読者をどう捉えるかという問題意識です。
・本は読者の課題を解決しなければならない
・その解決法がこれまでにない新しい方法でなければならない
・再現性の高い、誰にでもできる方法で
こうした考え方は、ビジネス書、実用書、自己啓発書では絶対的に重要でしょう。
しかし、ぼくが書くノンフィクションやエッセイだって同じことです。
すべての本に通じるのではないでしょうか。

それから時間軸の考え方も斬新でした。
書籍を出すタイミングを、その市場におけるライフサイクルで捉えます。
導入期・成長期・成熟期・衰退期。
なるほど、これは非常に重要な考え方ですね。

ぼく自身はこれまでに19冊の本を出しました。最初の頃は、何も分からず、ただ書きたいことを書いていました。
しかし最近になり戦略的に本を出すように考え方を改めました。
それでもまだまだ甘いと、本書を読んで痛感しました。
非常に勉強になりました。
おもしろくて、ためになる。あ、これって講談社のキャッチフレーズですね(笑)。

最後の方の余韻もよかったです。販売促進活動。
これは大事ですよね。
佐藤さんはデビュー作を出したとき、Facebook で2000名の友人にメッセージを送ったそうですね。これもすごいですよね。
ぼくのFBの友人は100人もいません。いやあ、世間が狭いんです。

笑ったのが、好きな四文字熟語。「重版出来」!
ぼくも大好きです。

本を出したい人も、全然そうでない人も、ぜひ、読んでみてください。
誰が読んでも楽しめる一作です。実用書としても、(ある意味で)エッセイとしても優れています。
おススメします。
[本を読んだ]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット