トカイナカに生きる(神山 典士)
2022-06-18


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トカイナカとは、都会と田舎の中間。
都会(この本では東京)から電車などで1時間から1時間半の地域を指します。
この微妙な距離は何を意味するのでしょうか?
これは定年になって仕事を終えた人が田舎に移住することとはまったく違っています。

コロナ禍は人の働き方を変えました。これは一時的な現象ではなく、このまま定着するでしょう。
大都会に住んでいても家賃や物価が高いだけ。大都会に行くには満員電車に揺られる必要があります。
しかしリモートワークという働き方改革が、人を大都会とその近辺に住まわせる必要性を無くしました。

トカイナカとは、高齢者のものではなく、若者のものであり、ビジネスの場でもあります。会社に縛られないフリーという生き方の選択でもあります。
時代は上り電車から下り電車に変化している訳です。
本書はそういう日本の新しい姿を現場からの実況中継という形で活写しています。

ぼくなんか還暦になった古い人間ですから、トカイナカ生活をやるガッツはありません。医療にもリモート診療というものが入ってきましたが、医療の基本は患者に触れることなので、この新しい診療は広まらないと思います。
ぼくの人生は自分のクリニックに縛られますから、イナカに移ることはないでしょう。
あれ、まてよ? そもそもぼくの住んでいる町は十分トカイナカでは(笑)。

筆者の神山さんはぼくと同年代ですが、ご自身でトカイナカ生活を実践しておられ、時代を見る目が確かだと思います。
新しい日本の潮流を本書で確認してください。
おススメします。
しかし神山さん、文章うまいなあ。ぼくもがんばろう。
[本を読んだ]

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