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筋ジストロフィーの患者さんの闘病記は複数ありますので、本書もそうしたものの一つであろうと、(表現は適切でないかもしれませんが)軽い気持ちで読み始めました。
ところが大変衝撃的な内容でした。
まず、12歳の子ども手記ということ自体が希有なものです。
歩けなくなっていく自分をどう思い、どう表現していくか、こんな記録はそうそう見ることができません。
そしてイジメ。
胸が痛くなります。
栗原君をイジメたクラスメートは、現在では激しく後悔しているでしょう。
ですが、親は一体どういう教育をしていたのかと、ぼくは大きな声を上げたくなります。
さらには、国立Z病院に入院し(母が手術を受けるため、栗原君は一時預かり。そういうシステムが当時は無く、ICUに入る)、人工呼吸器を装着した筋ジストロフィーの患者さんを見ることになる。
栗原君は、自分が20歳までしか生きられないと知ります。
そして同じ病気の友人が19歳で相次いで亡くなります。
ぼくは「知識」として筋ジストロフィーを理解していましたが、10代の青春期にある若者が、どれほどの恐怖感を味わうのか骨身に沁みて理解できました。
人は生まれた瞬間に死ぬことが決まっている。
だから生まれたことの意味を作っていく。
そうしたことを彼は表現していました。
さまざまな病気の闘病記や、障害者に関する本をこれまで多々読んできましたが、本書は長く記憶に留まる名著です。
なお、栗原さんのHPは、以下のURL。
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