「生物と無生物の間」を買う
2013-04-13


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最近ずっと、まじめに読書をしていたので、ここらでちょっと「はっちゃけた」読書をしてみようと気分が変わりました。

具体的には「自分が興味のあるテーマ」に絞って、教養本・解説書などを10冊以上一気に買いました。
新刊も買ったし、中古本も買いました。
興味あるテーマとは、「感染症」「人類史」が中心です。
「ラテンアメリカ」にも興味があります。

さっそく数冊を読んでしまいましたが、今日、自宅に届いた本は、川喜多愛郎先生の「生物と無生物の間」(岩波書店)です。
初版は1956年。
先生は、日本を代表するウイルス学者です。

青春の松永青年が情熱のすべてを懸けたのが、千葉大・分子ウイルス学教室でのがん遺伝子の研究。
3年間ここで、小児がんの研究をしましたし、ヒトパピローマ・ウイルスの構造解析をやったこともあります。
恩師は清水・前教授ですが、その清水先生が恩師として尊敬しておられたのが、川喜多先生です。
ぼくもお会いしたことがあります。

川喜多先生はウイルス学者として高名なだけでなく、「近代医学の史的基盤」という本でも有名(日本学士院賞受賞)。医学・医療の歴史を語れる数少ない医学者でした。

「生物と無生物の間」とはウイルスのことです。
川喜多先生がお書きになった歴史的な作品の一つです。
弟子の弟子として急に読んでみたくなったのです。もちろん、内容的には古いでしょうけれども、歴史を知ることは重要です。

最近、福岡伸一さんという人気科学者が同名の本を出版していますが、ちょっといかがなものでしょうか?
先人に対する畏敬の念があれば、こういうことはしないはずです。
まさか川喜多先生を知らないとは思えない。
編集者もどういうお考えだったのでしょうか?
こういう独創的なタイトルをそのまま真似して使う感覚が、ぼくには理解できません。
[本を読んだ]

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